アリスと暴君兎

□番外偏 暴君兎の嫉妬
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バレンタインデーの放課後



帰りの支度をするわたしと神威二人だけの教室で

問題児神威は不機嫌そうに私を睨み付けていた



「……」

『…なにをそんなに不機嫌で?』

「有り得ないだろ」

『はい?』


「バレンタインデーは好きな奴にチョコあげる日だろ?」

『はぁ』


「なんで俺だけじゃないのさ、そのうえなんで市販のチョコ?」

『えー。クラス全員分手作りしろっていってんの』

「俺だけにくれればよかったのに。好きなんだろ、俺のこと」

『どっから湧いてくんだその自信』

「いつも憂から注がれる熱い視線に気付いてないとでも思った?
よかったネ、両想いだよ。子供は何人欲しい?」

『よぉし。
チョコを返せチョコを。お前にあげるくらいなら自分で食う』

「とにかく。
俺は許さない。俺以外の奴にチョコ渡したなんて。最低でもそのチョコもらった奴ら3分の2殺さなきゃ」

『…なに、その彼氏みたいな台詞は』

「彼氏だもん」

『ちg…うォおッ!!って顔近っ!近い!』


いつものように文句を言い合っていれば不意に手をひかれ、物凄い近くに神威の顔があった



驚きで顔を離そうとすれば、



「逃げたら犯しちゃうぞ」


『っ…!』


神威のふざけたような、けれどどこか怒っているような口調で脅し文句を呟いた



バリッ…

カサ…



かたまるわたしに神威はあげたポッキーを袋から取り出して一つくわえさせた


『…ん…?』

「先に口離したら、俺だけに憂の手作りのチョコ作ってもらうからね」

『は!?めんどくさっ!!』

「じゃあ離さなきゃいい」

『!』


「俺、一回やってみたかったんだよね、憂とポッキーゲーム」


そういうと、神威はもう一方の端からポッキーをくわえた




パキ……パキ…


ゆっくりと、味わうかのようにポッキーを口で噛み砕いていく




近付く神威の整った顔



…パキ……


残り3センチ



パキ…


残り2センチ



神威の鼻がわたしの鼻の先にぶつかって、

ばちっと視線が絡まった





残りいっせ…



『ギブアァアアップ!!!』



憂は叫びくわえていたポッキーを折りながら立ち上がった



『あんたはバカですかァア!?
ナニコレ!嫌がらせ!!?バカじゃないの!?ってやるわたしもっとバカッ』

「パキッ…あーあ。あと少しだったのになぁ」



神威はそういいながら、

少しだけ残ったポッキーを楽しそうに噛み砕いた



『…さいっあく…』

「憂の手作り、楽しみにしておくよ」


悪戯が成功した子供のように、神威は笑ったのであった





fin.



# # #


しおり様リクエストの
番外編アリラビ神威嫉妬でした(^O^)
甘いかどうかはアレですが
実は自分が神威とヒロインの
ポッキーゲームを
書きたかっただけです(笑)
思えば嫉妬要素うすい…

ガツンと、裏!じゃなくて
こういう甘酸っぱい青春も、
管理人大好物です。キリッ

リクエスト
ありがとうございました!!

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