アリスと暴君兎

□恋せよ男子
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「なあ、矢沢。女ってこれ貰って嬉しいか?」

「矢沢、女子ってさ〜」

「この色、女子からしたら…」




あれからなんやかんやで時が過ぎ、クリスマスイブまであと三日


珍しくあの三人がいない教室で暇をもてあましていた私に、イブに無関係そうなこのクラスの男共が(もちろん数名だけど)そんな事を聞いてきた。


どうやら、他のクラスや他校に彼女がいるらしい



『この色とかいいと思う』

「アリガトな!やっぱクラスに女子がいるって助かるわ!」

『どーいたしまして。喜ぶといいね彼女』

「おう!」


杉崎はそういうと、スキンヘッドの頭には似合わない素敵な笑顔をみせてくれた



…幸せそうで羨まし、



「杉崎ィイイ!!てめぇまだ付き合ってたのか!」

「別れろハゲ!別れろハゲ!」

「お前に彼女とか勿体なさすぎるわ!!」



……どうやらそんな幸せそうな光景も、フリーな男共にとっては妬みの存在でしかないらしい


三人の男共が杉崎を取り囲み胸ぐらを掴むという、醜い行為をしていた



『もー。みんなであったかーい目でみよーよ、同じクラスの仲なんだし』


「何ぬっるい事言ってんだ矢沢!」

「そうだそうだ!!」

「工業男子にとって彼女もちなど敵以外の何者でもないわ!」

「そんな色気づいた男などクラスメイトとは認めん!!」

「よって!」



「「「彼女もちには破滅を!!!」」」



『男の嫉妬はみっともないよ』


「でぃっふぁれんと!」

『なぜに英語』


「我々は!男の固い友情よりも彼女を優先する杉崎が許せないだけである!」

「イブは男四人で鍋パーティーと決めたのに!!」

「彼女できやがって二人で過ごすだと!?」


「ムカつく!」
「羨ましい!」
「妬ましい!」



『それを嫉妬というんです』


三人の切ない叫びを聞きながら、私はハァとため息をつく。



こんなに飢えているのに彼女が出来ないコイツら、逆にかわいそうになってきた。工業男子って切ない。


しかもこのクラスの男子はガラ悪いから余計にだ



…よし。このクラス唯一の女子、矢沢憂が一肌脱いでやろう




『私が一肌脱ごう。木村、堂本、松本(三人の名前)』


「「「え?」」」




『杉崎の変わりに、私という女子がむさ苦しい男の鍋パーティーに参加しようっていってるの!これで満足か!!』









「「「や、いいです」」」













恋せよ男子



『お願い。痛くしないから殴らせて』

「ギャァアア!!!指!目がぁあ!」

「だって神威さんこぇーもん!」

「死ぬな、木村ぁあ!!」



# # #


みんな神威が怖い。そして春雨ずは呼び出しくらってました。

オリキャラ四名、ちょくちょくでます(笑)





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