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□厄日なアルバイト
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「蒼ちゃん、これ配達お願いね!」

『はい!』


帝丹高校二上原蒼。
現役JK。

バイトなう。


鳴りやまない電話と、フル稼働のピザ窯に現実逃避したくなった。忙しさはピーク。

私のお腹の虫もピーク。ちくしょう、ピザ食べたい


全国チェーンのピザ屋のマークがはいった制服を着て、出来上がったピザをバイクに乗せたら、白いヘルメットを被る。


『いってきまーす!』

「いってらっしゃーい!!」


私の主な仕事はデリバリー。希少価値のある女子の配達員だ。

腹を空かせながら素敵な笑顔で美味しいピザをみんなにお届け☆(お金を払ってくれる人限定にね!)をモットーに、週五でバイクを走らせている。


法定速度を守った走行中に考えるのは、毎日同じこと。

今日のお客様に変なやついませんように。バイクでこけませんように。帰ったらピザ食べれますように。


今日だってなんら変わらない平凡な一日

この時は、迫り来る非日常にまったく気付いていなかった。

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