異世界的彼。

□第7話 -女中篇-
1ページ/5ページ




「千利ッ!」

『!』



振り下りてくる刀に、

私は目を瞑ることしか出来なかった。




──第7話









ガキィインッ!!!



振り下りてきたはずの刀に、痛みはなくて私は恐る恐る目を開いた





目の前に広がる黒いもの






『ひ、じかた…さん!』



私の前には私を庇うように、自らの刀で杉田をとめている土方さんがいた




ギリギリと刀同士が擦れる音がして

土方さんはグッと力を込めて杉田さんを押す




お偉いさんといえど、現役の隊士には敵うはずもなく、よろめいた杉田さんをみて


土方さんは声を張り上げた






「コイツを取り押さえろ!」



「「「「「はい!!!!!」」」」」




鬼の副長の気迫ある命令にこの場にいた隊士全員が動いた






ドサッ!ガシャン!



「土方ァアア!!!!貴様、この私にこんなことをしていいと思っているのか!!!」


真選組の隊士に押さえつけられてもなお、杉田さんは土方さんに噛み付くように叫んだ。



土方さんは刀を丁寧に鞘に戻しながら杉田さんをみすえた







「アンタはもう一人の犯罪者だ。

それに、





ウチの女中をバカにするのは誰であろうと許さねェ」



チンっと刀が納まった音がした





「総悟、ソイツを取調室に連れてけ」


「へーい」


土方さんに言われ、杉田さんは隊士二人と沖田に連れられ引き摺られるように連れていかれる












「……土方と万事屋どもよ

私に恥をかかせたこと、一生後悔させてやる」



そう呟き私たちを睨みつけながら、静かに大広間から出ていった。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ