アリスと暴君兎

□接触して感電す
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ギィイ…


狭い掃除用具室の扉をあけて、その犯人を二つの目で確かめるように私は外に出た





下から順に見上げていく












そして、


毎日のように見ていた













和葉ちゃんの顔






その顔は焦ったよにも

動揺したようにも見えない、普通の和葉ちゃんの顔






『…なにして…』



「憂、みんな揃ってなにやってるの?」


『え…?』

「かくれんぼしてるなら私も誘ってくれたっていいじゃん!」



和葉ちゃんはニコニコと可愛い笑顔をみせて、

なんらかわりない口調で話していた








…けど、

目は笑っていない





「…知らないフリして、逃れようとしてるの?」


「え?」



突然口を開いた神威に私は驚いて体を小さく跳ねさせた




「悪いけど、もうあんたの素性も過去も、情報は全て調べてあるから。
逃げられるなんて思わないほうがいい」


「……」



淡々と話す神威に、和葉ちゃんはニコニコした顔をやめ話すのをやめた





……いつまでも驚きっぱなしじゃだめだ



真実を、




和葉ちゃんの口から聞かなくちゃいけない







『本当に…和葉ちゃんなの?』


「ん?なに?」





『私に今まで嫌がらせをしてたのは、




和葉ちゃんなの?』




自分のスカートを握り締めて、

まっすぐと和葉ちゃんをみてそう聞けば。













「うん。そーだよ。」



迷うことなく、



和葉ちゃんは笑顔でそういった。












接触して感電す






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