アリスと暴君兎

□満月を見上げて
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「嫌だね」

『え、どうして。即答』


「なんでお前と友達になんないといけない訳?」


ごめんだね、と言いながら綺麗な顔で私を睨みつけた



どうやら本気で私は嫌われているらしい。



『んじゃ、一緒帰ろっかっー』

「はあ!?」


『阿伏っちゃーん、云ちゃん、帰ろっ』

「ねえ、どうして俺無視したの。俺に喧嘩売ってるの。ツンデレなの」

『神威のせいで和葉くんに嫌われてるんだもの。無視もしたくなるわ。
つーことで、1人で帰れ』

「なにこれ。ツン多くない?デレが見えない」


「…神威くんも一緒に帰るなら」

『さあ、神威くんも帰ろうか』

「なにこのデレ。
コイツも一緒って、嫌だよ俺は」

『じゃあここに泊まれば』

「……」


何か言いたそうに黙り、本気で嫌そうな目を和葉くんに向ける神威と、目がハートになりつつある和葉くん



…あれは、憧れの視線なのかラブのほうなのか


そんな疑問を心の隅に隠しつつ、私達五人は鞄を持って学校を出た




『うわ、もう暗いなあ』

云「本当だな」

威「なんかこう、夜って、ムラムラするよね」

和「…カッコいい」

『阿伏っちゃんこの子おかしい』

阿「重症だな」


威「ねえ憂、今日憂んち泊めてよ」

『嫌です、貞操なくなりそうなんで』

和「自惚れんな、ブス」

『わぁー口悪いなぁ、和葉くん』

「気安く名前呼ぶなよ」

『照れないの、もぉ』

「俺の憂とイチャつかないでくれる。殺しちゃうぞ?」

「きゅんっ」

『私いつから神威のものになったの』




「…なあ、阿伏兎」

「あん?」

「…アイツら、今までシリアスな仲じゃなかったっけ」

「……だったっけ」




『もー、和葉くん蹴らないで



あ、みんな、上みて上』




私の声に、みんな揃って上を見た








満月を見上げて


丸いお月様が5人を照らした


# # #

憂鬱アリス篇完結です





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