アリスと暴君兎

□ただの悪魔でした
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なんだこの異様な近さ!

さっきの不良たちより近ぇ!!

パーソナルスペース完全無視!!




『…や、あの。どいてください』

「ムードないなぁ。
この状況でそのトーンでそのセリフ?もっと可愛く恥ずかしがってみせてよ」



な ん だ こ い つ 。


サドセリフをさらりと言ってのけたわ。

ドSだよ、この人。絶対!




『…私、職員室に行かなきゃならないんで!失礼しますっ!』


怖い笑顔の圧力を跳ね除けなけないと、このままいれば、このタイプのドSは危険だ。


引きつった笑顔でそう言いながら、体をひねって、三つ編み男の横からスルリと走り去ろうとすれば。





ガシッと、いとも簡単に腕を掴まれた




『っ…なんですか?私、職員室にい



「さっきも聞いたよ。

それより、助けてあげたのにお礼の一つもないの?冷たいなぁ」


三つ編み男の言葉について少し考え、そりゃそーだと納得。


パーソナルスペース完全無視、自分も混ざる発言とはいえ、結果私を助けてくれたんだ。

お礼はいっておかないと。



『…あ。そ、れはありがとうございま


「違うよ。言葉じゃなくて、」




『え。うわっ!』



私の腰に腕をまわして、抱き寄せ、これでもかってくらい体をくっつけてから、





「こっち。抱かせろよ」


ステキな笑顔を浮かべ、そう囁いた。







ただの悪魔でした

ヒーローなんて思いません、もう二度と

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