Royal Knights

□散り行く桜
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「俺は、やはり……。
 散り行く花より、
 咲き誇っている花の方が好きだ。」
デュナスモンとしては、
精一杯の比喩だった。
思惑通り、ロードナイトモンにも
直では伝わらなかった。
しかし数秒でその答えを導き出すと、
ロードナイトモンは吹き出した。
「なっ、わ、笑うな!!」
デュナスモンが
顔を真っ赤にして怒鳴ったが、
それも気にせずロードナイトモンは
一頻り笑うと、
片手をデュナスモンの首へ伸ばした。
それに条件反射でデュナスモンが
ロードナイトモンの手が届く様に
少し屈むと、ロードナイトモンは
近付いたデュナスモンの唇に
軽く口付けた。
「あまり可愛い事を
 言ってくれるなよ、デュナスモン。」
まだ笑いが治まりきらない様子で
クスクスと笑いながら言った
ロードナイトモンに、デュナスモンは
気恥ずかしそうに顔を背けた。
それもまた可愛いと笑い、
ロードナイトモンは図らずも
向けられた頬にキスをした。
すると、デュナスモンは更に
顔を赤くして振り向いた。
「心配するなよ、デュナスモン。
 私はそう簡単に散りはしないさ。」
言って抱きついてきた
ロードナイトモンの背中に、
デュナスモンはそっと腕を回した。
消えないと確認したい。
ギュッと強く抱きしめたいと
デュナスモンは思ったが、
力を込めると壊してしまいそうで。
そっと、手を添えるだけに留めた。
その遠慮を感じ取った
ロードナイトモンは
少し不満に思ったが、
そんないじらしい所もまた可愛い点かと、
一つ溜息を吐いた。
そんな2人の周りを、
桜の花が儚く散った。

END


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