Royal Knights

□女神に祝福されし婚姻の月
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「デュナスモン、今帰ったぞ。」
「ああ。おかえり、ロードナイトモン。」
出迎えてくれたデュナスモンに
満足気に微笑むと、ロードナイトモンは
持ち帰った白い薔薇の花束を
デュナスモンに渡した。
それを受け取ると、デュナスモンは
早速何処かへ生けようと
花瓶を取り出した。
花瓶へ花を生けながら、
デュナスモンは首を傾げた。
「なあロードナイトモン、
 これ何本か枯れているんだが。」
「それで良いのだ、
 そのままにしておけ。」
「そうか?」
「枯れゆく様も、また美しかろう?」
「……悪いが、俺にはよく分からん。」
愉しげに笑うロードナイトモンに、
デュナスモンは困ったように答えた。
それでもしっかり花を生けると、
デュナスモンはひとまず
それをリビングに飾る事にした。
しかし、最初から枯れている数本の花に、
デュナスモンはやはり首を傾げた。
もしかしてコレは、
枯れている事に
何か意味があるのだろうか?
その真意を確認しようと
デュナスモンが振り向いた時、
彼が口を開くより一瞬早く
ロードナイトモンが言葉を発した。
「時にデュナスモン。
 "June bride"
 というものを知って居るか?」
「じゅーんぶらいど?
  ……いや、知らないな。」
その答えに、ロードナイトモンは
一つ溜息を吐いた。
しかし知らない事は予想できていたし、
教える楽しみもある。
そう思い直すと、
ロードナイトモンは笑みを浮かべた。
「現実世界の言葉だ。
 その昔、現実世界において、
 六月は結婚の女神が司る月で
 あったそうだ。
 それ故、六月に結婚をした
 花嫁は幸せになれるというのだ。」
「……ほぉ。」
「そこでだデュナスモン。
 この私が、
 お前を幸せにしてやろう!」
「………………は?」
突然の言葉に
デュナスモンは思考が追いつかず、
首を傾げて一瞬フリーズした。
一体どういう事なのか、
意味が分からない。
脈絡がなさすぎる。


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