Royal Knights

□女神に祝福されし婚姻の月
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どうしたものかと
困り果てているデュナスモンに、
ロードナイトモンは溜息を吐いた。
「だからなデュナスモン。
 June brideにあやかって、
 この私が、お前を
 嫁に貰ってやると言って居るのだ。」
「は………はぁあああああ!?」
噛み砕いて説明してくれた
ロードナイトモンの言葉に、
デュナスモンは声を荒げた。
その声の大きさに
ロードナイトモンは
顔を顰めて耳を塞いだ。
「喧しい。」
「いやだって! え、何……嫁ぇ!!?」
「少し黙れ。」
言ってロードナイトモンは
パイルバンカーを取り出して
デュナスモンを殴った。
その痛みに呻き、取り敢えず
大人しくなったデュナスモンに、
ロードナイトモンは
やれやれと溜息を吐いた。
「……痛い。」
「加減はしておいた。」
「分かっている。……済まん。」
「構わぬ。
 それよりデュナスモン。
 どうだ? 嫁に来ぬか?」
改めて問いかけてくる
ロードナイトモンに、
デュナスモンは数回瞬きした。
少し落ち着いたお陰で、
先程のようなパニックは起こさない。
「どうした? そんな急に……。」
「いや何、折角の六月だからな。」
「……これは一体
 人生何度目の六月だろうな?」
「喧しい!」
細やかなツッコミを入れる
デュナスモンを、ロードナイトモンは
再びパイルバンカーで強打した。
叩かれた後頭部を押さえて
うずくまるデュナスモンを、
ロードナイトモンは冷たく見下した。
「一々揚げ足など
 取るでない。美しくないぞ?」
「……それは悪かったな。」
「折角この美しい私が、
 June brideにあやかって
 お前を幸せにしてやろうと
 言って居るのだ。
 素直に嫁いで来たらどうだ?」
ロードナイトモンの言葉に、
デュナスモンは顔を赤くして俯いた。
プロポーズされているというのは、
事実嬉しい。
デュナスモンとて、
ロードナイトモンの事が好きなのだから。
しかし、若干の不満もあった。
「……どうして俺が嫁ぐ側なんだ。」
「毎晩私に
 組み敷かれて居るのは誰だったか?」
「…………済まん、俺だ。」
ロードナイトモンの答えに、
不満も引っ込んだ。
ああ言われては仕方ない。
事実デュナスモンの方が
下のポジションに
甘んじているのだから。


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