Kernel.2

□愛しき君を守る為
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そうしてインダラモンとパジラモンは、
サンティラモンの脱皮が済むまでの間は
共にサンティラモンの部屋に
泊まる事にした。
しかしサンティラモンの部屋は
暫く使っていなかったので、
少々埃が被っていた。
「……まずは掃除か。」
「否、取り敢えず
 サンティラモンを
 ぬるま湯に入れて
 スーツェーモン様の下へ
 預けて来よう。
 こんな埃だらけの中に
 サンティラモンを
 置いておく訳にも行かぬしな。」
「まぁ、そうか。」
そう話し合うや、
インダラモンとパジラモンは
沸かしたぬるま湯を水瓶の中に入れ、
更に水を注いで適温にまで冷ますと、
その中へサンティラモンを入れて
スーツェーモンの自室を訪ねた。
「……どうした。」
「サンティラモンが
 脱皮を催しましたので、
 その準備の為に
 サンティラモンの部屋を
 掃除したく存じました故。」
「掃除が済むまでの間、
 少々スーツェーモン様に
 サンティラモンを
 預かって頂けないかと思い、
 参上した次第に御座います。」
畏まり頭を下げる
パジラモンとインダラモンの言葉を、
スーツェーモンは快く承諾した。
「ああ、構わぬ。」
「お願い致します!」
そう言い残すと、
パジラモンとインダラモンは
素早く踵を返して行ってしまった。
一人取り残される形となってしまった
サンティラモンは、オロオロした様子で
スーツェーモンに頭を下げた。
「ご迷惑をおかけ致します……。」
「気にするな。
 インダラモンもパジラモンも、
 無論我とて、
 好きでお前の世話を
 焼いて居るのだ。
 お前が気に病む必要など無い。」
「……ありがとうございます。」
そう答えながらも
元気の無いサンティラモンに、
スーツェーモンは溜息を吐いた。
「……それにしても、遂に
 インダラモンにもバレたようだな。」
「……スーツェーモン様、
 今からでも
 インダラモンの目から
 逃れる方法とかありませんか!?」
「諦めろ。往生際の悪い……。」
「ですが……。」
「大丈夫だ。
 お前の脱皮は
 綺麗だし、神秘的だ。
 インダラモンとて、見蕩れよう。」
心配するなと言ってやりながら、
スーツェーモンはサンティラモンの頭を
嘴で優しく撫でた。
その感触が心地良いのか、
サンティラモンは
気持ち良さそうに目を細めた。


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