Royal knights.2

□ハロウィンの前準備
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「今帰ったぞ、デュナスモン。」
「ああ、おかえり。」
掛けられた声に一瞬だけ
台所から顔を覗かせて答え、
すぐまた台所へと戻ったデュナスモンに、
ロードナイトモンは眉を顰めて
足早に台所へ向かった。
そうして脇から伸びたリボンを
デュナスモンの首へ巻き付け引き寄せた。
「いっ……!?」
「デュナスモン、
 出迎えも碌にせず何をしている。」
「………明日の、準備。」
「準備?」
「明日はハロウィンだろ。
 だから、その為の
 お菓子を作っているんだ。」
首に巻き付いたリボンを掴み、
何とか気道を確保して、
デュナスモンは答えた。
その答えに、
ロードナイトモンは首を傾げた。
「ハロウィンに、お前が菓子を
 用意する必要が何処にある?」
「…………お前、貰う気無かったのか。」
言ってデュナスモンは溜息を吐き、
生地を捏ねる手を止めた。
愁いを帯びたようなその表情を
疑問に思いつつも、ロードナイトモンは
焼き上がっているお菓子に手を伸ばした。
「クッキーか?」
「ん……あぁ、だがそれは――。」
デュナスモンの言葉を待たず、
ロードナイトモンはそれを食べた。
「……甘い。」
「だろうな。それは
 アルフォースブイドラモン達
 にと作ってみた物だからな……。」
デュナスモンの言葉に、
ロードナイトモンは眉を顰めた。
「……デュナスモン、貴様
 他の奴らにもそれを配るつもりか?」
「え。……いや、
 配るというか、
 言われたらやる感じだな。」
言うと、デュナスモンは
ロードナイトモンが手にしたのとは
反対の場所に置いてあるものを
数枚取って渡した。
「こっちの方が、
 まだお前の口に合う筈だ。
 ……後、
 アイスティーが冷蔵庫に入っている。」
「…………この私に用意しろと?」
「……………。
 今用意するから、
 少し待っていてくれ。」
言うと、デュナスモンはさっと手を洗い、
冷蔵庫からアイスティーの入った
冷ポットを取り出し机に運んだ。
そうして素早く机を拭き、
カップと皿を運んで、
カップにはアイスティーを、
皿にはクッキーを入れてやった。


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