Royal knights.2

□漢方薬は爪の垢
1ページ/16ページ

事の起こりは積もり積もった些細な事。
デュークモンやオメガモンと共に
任務へ出ていた筈の
アルフォースブイドラモンが
一人で帰って来た所から、
今回の話は始まる。
「マグナー!」
もう既に恒例と化した、
アルフォースブイドラモンの帰還報告。
これまたいつもの通り
マグナモンへ飛び付いて、共に転げた。
「ヴィドラ! お前は
 何度言ったら判るんだ!!?」
「う……ごめん。」
飛び付いて来た事を叱るマグナモンに
落ち込むアルフォースブイドラモンと、
ここまで全て
テンプレートと化している事を、
このメインサーバの総務である少女は
微笑ましく見つめていた。
しかし、脇のモニターを見て首を傾げた。
今日の仕事はメインサーバ内
セキュリティーのアップグレード。
その為メインサーバ全体を
モニタリングしていたのだが、
アルフォースブイドラモンと
一緒の任務に出ていた筈の
デュークモンとオメガモンが
見当たらない。
いくらアルフォースブイドラモンが
全速力で飛んで帰って来たとしても、
そろそろ追いついて良い筈だ。
それとも、恋人同士
ちんたら帰って来るつもりなのか。
そう思い、少女は
新しく開いたウィンドウに
メインサーバ外部の映像を映し出した。
しかし、その何処にも
二人の影は見当たらなかった。
「ゼロくん、
 お取り込み中に
 ごめんね?
 オメガモン達とは
 一緒じゃなかったの?」
「あー……。
 途中までは一緒だったんだけど
 気付いたらいなくて。
 探しても見つかんないから、
 オレだけ先に帰って来ちゃったんだ。」
その言葉に、少女が
二人は何処へ消えたのかと
首を捻るのと同時に、デュナスモンと
マグナモンとクレニアムモンが
揃って溜息を吐いた。
「またか……。」
「全くアイツらは……!」
「……また?」
「ああ、気にしなくて良い。
 どうせいつものサボリだ。」
言ってまた溜息を吐くデュナスモンに、
マグナモンは
苦虫を噛み潰したような顔をした。
「リーダーのサボリが
 常習化するなんて
 あるまじき事態だがな。」
マグナモンの辛辣な言葉に、
場の空気が固まった。
その様子に少女は苦笑いを浮かべ、
アルフォースブイドラモンは首を傾げた。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ