Royal knights.2

□愛しく可愛い私だけの小間使い
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「最近、人間達の間では
 我々デジモンに、アクセサリーを
 つけるのが流行っているらしいな。」
「……ああ、らしいな。」
「中には服を着せる者もいるらしい。」
「へぇ。」
「という事でだデュナスモン。
 お前も一つ着てはみないか?」
「は?」
予想外の言葉に
デュナスモンが顔を上げると、
ロードナイトモンは何かの
メモリースティックを
手の中で遊ばせながら
此方へ笑顔を向けていた。
その笑顔が自分にとって
良くないものであるのを、
デュナスモンは瞬時に理解した。
「……ロードナイトモン、何だそれは。」
「総務から貰った"メイド服"だ。」
返って来た言葉にも
不穏なものしか感じ取れず、
デュナスモンは思わず顔を背けた。
しかしロードナイトモンは
そんなデュナスモンの
態度が気にくわず、
少々機嫌を損ねた様子で溜息を吐いた。
「デュナスモン、
 この私が折角お前に
 物をくれてやろう
 というのに、何だその態度は。」
「………そう、は言っても。
 それ、結局は貰い物だろう?」
「……何だ、総務からの
 貰い物は気に入らぬか?」
「貰った相手じゃなくて、
 その内容物が気に入らないんだがな?」
「大丈夫だ。心配せずとも、
 ちゃんとお前に似合うよう、
 この私が
 直々に手を加えてあるからな。」
ロードナイトモンの言葉に、
デュナスモンは複雑そうな
表情を浮かべながら、
それが余計に嫌なんだと
心の中で毒づいたが、
それを言葉として発すれば
ロードナイトモンの機嫌を
損ねてしまうのは明白なので、
敢えて口を噤んだ。
「まぁ物は試しだ。早速着てみろ。」
ロードナイトモンの言葉に
デュナスモンが嫌だと
答えようとした時には、
既にメモリースティック内の
データプログラムは展開されていて、
中に入っていたメイド服の
アクセサリーデータは
瞬時にデュナスモンを覆った。
拒絶する暇も与えられる事無く
着せられたメイド服に、
デュナスモンは思いっきり
眉間に皺を寄せた。


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