Royal knights.2

□俺が彼奴で彼奴が其奴
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いつもの通り情報処理室で
データの整理をしていたマグナモンは、
外へ任務に出ている
デュークモンからの通信に首を傾げた。
今回の任務は
鋼の帝国を外から偵察する事という、
極々簡単な物だった。
それこそ、総務に
自分の手持ちに行かせた方が早いし
効率的じゃないかと言われる程、
単純かつ容易な仕事であった。
通常であれば
そんな容易い任務に
途中報告など要らないし、終了の報告も
此方へ帰って来てからやれば良い。
何か問題でもあったのだろうかと
一抹の不安を抱えながら、
マグナモンはその通信を繋げた。
「どうした、デュークモン。
 何か任務に支障でも起きたか?」
『いや、任務は
 滞りなく終了したんだが
 一つ、問題が発生してな……。』
「問題?」
画面の向こうで
言葉を濁すデュークモンに、
マグナモンは顔を顰めた。
どうにも、喋り方に違和感がある。
一体彼の身に何が起こったのだろうかと
訝しんでいた所へ、
デュナスモンが割り込んで来た。
『マグナっ!
 マグナマグナどーしよ〜!!』
『っアルフォースブイドラモン!!
 お前は黙っていろと言っただろう!!?』
『だぁってぇ〜!!!』
通信画面の向こうで
繰り広げられている言い合いに、
マグナモンは困惑した。
何故、デュナスモンが
アルフォースブイドラモンのような
口調で喋っているのか。
そうして、何故それを
デュークモンが叱りつけているのか。
「……口論なんてどうでもいい。
 状況を説明しろ、デュークモン!」
『……うむ、
 簡潔に言わせて貰うのであれば、
 このデュークモン達の精神が
 入れ替わってしまったようなのだ。』
マグナモンの言葉に答えたのは、
デュークモンのような口調で喋る
アルフォースブイドラモンだった。
その返事に
事態を理解したマグナモンは頭を抱え、
後ろで通信を聞いていたアルファモンは
思わず吹き出してしまった。
「入れ替わりとかマジかよ!!!」
『アルファモン!
 笑い事じゃないんだけど!!?』
「その通りだな、アルファモン。
 笑ってる暇があるなら、
 とっとと始末書を書き上げろ。」
笑うアルファモンのすぐ脇へ
プラズマ弾を撃ち込んだマグナモンは、
冷ややかな声でそう言い渡すと、
改めて通信画面に振り返った。
「ともかく、任務を終えたのなら
 早く帰って来い。
 ……後の事は、それから考えろ。」
その指示に、画面の向こうの三人は頷き、
通信を終わらせた。


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