Kernel.2

□愛しき君を守る為
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サンティラモンが
脱皮を控えた件について、
今後の予定などを洗い直そうと、
インダラモンとパジラモンは
サンティラモンと共に
昼食を取りながら話し合う事にした。
「なぁパジラモン。
 脱皮前に一番気ぃ付けなきゃ
 いけないのって、何かあるか?」
「取り敢えずは乾燥を避けろ。
 なるべく、常に水の中に
 居られる環境があった方が良いな。」
「水か……。
 宝貝<パオペイ>の口んトコ
 塞いじまえば、溜めれるよな。」
「……いや、そしたら宝貝
 武器として使えないじゃんかよ。」
「問題無ぇよ。
 武器が無くて困るんなら、
 その辺の
 スカルグレイモンから
 骨でも分捕りゃ済む話だし。」
「いやいやいやいや……。」
そうゆう問題じゃないと
困惑するサンティラモンに、
インダラモンは何でお前が困るのかと
首を傾げ、パジラモンは溜息を吐いた。
「インダラモン。
 そなたいっそ水瓶でも背負え。
 宝貝は常に握って居れば良かろう。」
「その為だけに
 水瓶調達すんのがダルイ。」
「……骨棍棒調達すんのは良いのかよ。」
「それは慣れてるから大丈夫。」
そう言い切るインダラモンに、
サンティラモンは
ツッコミきれず溜息を吐いた。
「そなたが良いのであれば、
 我も何を言う事も無いがな。」
「おお。
 ……家にいる時は
 風呂ん中に入ってて貰えば良いか?」
「そうだな。
 熱くもなく冷たくも無い、
 人肌ぐらいの温度が適当であろう。」
「そうか。」
「……いや、
 オレやっぱ自分の部屋帰る。」
「何だよ、
 俺じゃあ信用出来ねぇってか!!!?」
声を荒げたインダラモンに
サンティラモンが怯んだ瞬間、
パジラモンは宝弓<パオゴン>の角で
インダラモンを殴った。
「喧しいわインダラモン。
 ……サンティラモン、
 心配する事は無い。
 我も協力してやる故、
 そう困った事にはなるまい。」
「……あ、いや。
 そぅゆうんじゃ
 なくって、さ……。
 その、これから
 一週間もの間、風呂場
 占拠しちまうのとか、悪いし……。」
俯き申し訳無さそうに言う
サンティラモンに、インダラモンは
そんな事かと溜息を吐いた。
「んな事
 心配してんじゃねぇよ、
 サンティラモン。
 一週間ぐらい
 風呂入んなくたって、
 別に死にゃしねぇしよ!」
「でも……。」
「大丈夫だから気にすんなって。」
言って苦笑したインダラモンは、
サンティラモンの頭を
撫でてやろうとしたが、
途中でピタリと手を止めた。
「……インダラモン?」
「いや、何でもねぇよ。」
触りたいのを必死で堪えて
自制するインダラモンと、
それが分からず不安そうな目をする
サンティラモンの間に流れる
不穏な空気に、
パジラモンは溜息を吐いた。


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