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□七夕の星に願掛けを
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七月七日。
ファンロンモンの号令により、
四聖獣と十二神将<デーヴァ>の全員が
中央神殿の中庭へ集められた。
「皆、よく来てくれた。」
「……ファンロンモン様、
 一体何事に御座いますか?」
「いや何、偶には皆で
 七夕でも楽しもうかと思うての。」
ファンロンモンの答えに、
皆キョトンとして固まった。
「……は?」
「……御言葉ですが
 ファンロンモン様。
 七夕なれば、もう一ヶ月先でしょう。」
「確かにそうだが、街はもう
 七夕ムードであっての。
 ……偶には、太陽暦に倣って
 一ヶ月前から飾っても良かろう?」
普段は太陰暦で
七夕をしてきた四聖獣達であったが、
ファンロンモンの優しい笑顔に、
誰も否とは言えなかった。
「ともかく、
 もう笹は飾って置いたから、
 後は皆で
 短冊を書いて飾ってくれぬかの?」
そう、中央神殿の脇に置かれた
大きな笹と、沢山の短冊を指して言う
ファンロンモンに、
皆素直に従う事にした。


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