Royal Knights

□清しこの夜
1ページ/4ページ

「終わったか?」
「いや、
 少し待て……。
 これで最後だ。」
言って、デュナスモンは袋から
最後のプレゼントを取り出した。
「そうか。ならさっさと行って来い。」
「ああ。」
短く答えると、デュナスモンは
最後の一個を配りに行った。

寝ているデジモン達を起こさない様に、
そっとプレゼントを置くと、
再び静かにその場を離れた。
「お疲れ、デュナスモン。」
掛けられた声に振り返ると、
ロードナイトモンが缶コーヒーを
2本持って立っていた。
……2本?
珍しい光景に首を傾げていると、
その内の1本を渡された。
「ああ……。済まない。」
「気にするな。」
言って、ロードナイトモンが普通に
手に持った1本を開けようとしたので、
デュナスモンは慌てて待ったをかけた。
「ちょっと待て
 ロードナイトモン!
 それコーヒーだぞ?」
「知っている。偶には良いだろう?」
「いや、まあ駄目とは言わんが……。」
普段、ロードナイトモンは
コーヒーなど飲まず、
専ら紅茶を好んで飲んでいるのだ。
だからデュナスモンとしては、
ロードナイトモンが珍しく
コーヒーを飲もうとするのが
不思議でならなかった。
しかもそれはデュナスモンが好む
銘柄の物で、結構苦い物だった。
「……苦いな。」
「微糖だからな。
 ……紅茶でも買って来ようか?」
「いい。」
答え、ロードナイトモンは
缶コーヒーを飲み進めた。
しかし、その額には
微かに皺が寄っている様に
デュナスモンには思えた。
「お前、そんなに
 コーヒー得意じゃないだろ。」
「……偶にはお前と同じ物を
 飲みたいと思って何が悪い。」
「そ、そうか。」
ロードナイトモンの思わぬ答えに、
デュナスモンは顔を真っ赤に染めた。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ