Royal Knights

□赤い薔薇には愛情を
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3月14日、ホワイトデー当日。
ロードナイトモンは
用意したプレゼントを
どう渡そうかと思案していた。
するとそこへ、
何故かデュナスモンから
小さな箱を渡された。
「デュナスモン?」
「いや、今日は
 ホワイトデー
 だろう? だから……。」
デュナスモンの言葉に、
ロードナイトモンは
困った様に眉を顰めた。
確かに、バレンタインデーには
デュナスモンに花束を渡したが、
特にバレンタインだからと
銘打ちもしなかったし、
そもそもあれは
欧米のバレンタインに
なぞらえた物であり、
欧米にはホワイトデーの概念が
無い為、お返しが来るなど
微塵も思っていなかった。
「あ、いや……。半分は、
 俺の趣味で作ったものだから。
 あまり、気にしないでくれ。
 その……。花束についていた
 砂糖菓子、美味かった。
 その、礼だとでも思ってくれ。」
訝しげな表情をしている
ロードナイトモンに
言い訳をするかの様に、
デュナスモンは慌てて答えた。
その焦り具合に溜息を吐くと、
ロードナイトモンは
貰った箱を開けてみた。
すると中には、薔薇を象った
綺麗な和菓子が2つ入っていた。
「……美しい。」
ロードナイトモンが呟くと、
デュナスモンは
心底嬉しそうに微笑んだ。
しかしロードナイトモンとしては、
ますます自分のプレゼントを
どうしようかと悩んだ。
デュナスモンは本当に
器用で料理も上手くて。
自分の作った菓子なんて、
これの前ではゴミくず同然では
ないのだろうかと。
しかし、折角作ったのだ。
これだけの物を貰っておいて、
お返しがあの程度など
笑止千万だろうが、
何も返さぬよりはと、
ロードナイトモンは
デュナスモンに向き直った。


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