Royal Knights

□遠い地で泣く君達へ
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3月某日、
現実世界<リアルワールド>で
地震が起きた。
それは凄い震度で津波も起こって、
震源地周辺は壊滅状態だともいう。
その影響で、今この
デジタルワールドにある
テイマータウンはガランとしていた。
震源地の近くに家のある者は、
現実世界に帰って家族の無事を確認し、
そうでない者達は
パートナーと力を合わせて
震源地周辺の復旧作業を手伝っていた。
そうして、テイマーの居なくなった
デジタルワールドは、ロイヤルナイツと
十二神将<デーヴァ>が守っていた。
子供達が帰ってきた時に、
快く育成やクエストが出来る様に。
「みんな、大丈夫かな……?」
明かりの消えたテイマータウンを
上空から見下ろしながら、
アルフォースブイドラモンは呟いた。
心配そうな声音に、マグナモンは
アルフォースブイドラモンの頭を撫で、
デュナスモンは肩を叩いてやった。
「大丈夫だ、皆独りじゃない。」
「それに、ヒーロー達も
 皆救助に向かったと、
 Twitterに書いてあったぞ。」
「うん……。」
2人の言葉を聞いても、
やはり不安は拭えない様で、
アルフォースブイドラモンは
ただ空を見上げた。
その目線の先には、
ミラーボールの様に浮かぶ
現実世界へのゲートがあった。
「オレらが誰かの
 パートナーだったら、
 一緒に救助に行けたのにな。」
アルフォースブイドラモンの言葉に、
2人も同じ様にゲートを見上げた。
通常、現実世界とデジタルワールドを
行き来できるのは、人間のテイマーと
そのパートナーデジモンだけであった。
勿論、無理矢理にでも
ゲートを抜けてしまえば、
現実世界へ行けない事もないが、
それは不法侵入に等かった。
デジタルワールドの秩序を
護るべき立場にいる彼らが、
そんな事を出来る訳が無かった。


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