Royal Knights

□美味しい桜
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イグドラシルへの報告を終え、
オメガモンが自室へ戻ろうと
廊下を歩いていると、
その途中でデュークモンと出会った。
「ム、我が盟友
 オメガモン。
 任務は終わったのか?」
「ああ。今し方
 イグドラシルへの
 報告を終えた所だ。」
「そうか。」
「時に
 デュークモン、それは何だ?」
オメガモンは、デュークモンが
花束の様に纏めて抱えている
枝に気付くと、それを指して問い掛けた。
その問いに、デュークモンは
ああと呟いて枝に目をやると、
桜だと短く答えた。
「桜?」
「ああ。今年も
 綺麗に咲いたのでな、
 桜あんぱんでも作ろうかと、
 一つ食用の物を買ってきたのだ。」
「ほぅ、桜あんぱんか。」
「そうだ、我が盟友オメガモン。
 出来たら一番に貴公のもとへ
 持って行こう。
 だから、良ければ食しては貰えぬか?」
デュークモンの申し出に、
願ったりだとオメガモンは笑った。
「勿論だデュークモン。
 いや、寧ろ私から願いたい。
 その桜あんぱん、出来た暁には
 是非とも一番に私に食べさせてくれ。」
オメガモンの言葉に、
デュークモンは心底嬉しそうに微笑んだ。
「ああ、勿論だオメガモン。」
言って、2人は幸せそうに笑い合った。
窓の外で、2人の幸せを願う様に
桜の枝が風に揺れた。

END


 

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