Royal Knights

□散り行く桜
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久しぶりに2人揃っての任務の帰り、
ロードナイトモンとデュナスモンは
任務先近くにあった桜並木を訪れた。
「美しいな。」
「ああ。だが……
 桜ももう終わりだな。」
2人の眺める先にある桜は
既にかなり散っていて、
殆ど葉桜になっていた。
今も、ハラハラと途切れる事なく
花びらが舞い散っている。
「そうだな。
 だがそれでこそ
 美しいとは思わぬか?」
舞い散る花びらに向け
手の平を差し出して言った
ロードナイトモンの言葉に、
デュナスモンは一つ息を吐き出した。
ロードナイトモンは
美しいものを愛でこそすれ、
決してそれを慈しんで
守るという事はしなかった。
彼は、儚く散り行く様も
また美しいと言ってのけるのだ。
盛者必衰の理というのだろうか、
それともわびさびというやつか。
どちらにせよ、デュナスモンには
よく分からなかった。
「俺は、もう少し
 咲き誇っている方が好きだがな。」
「何を言うかデュナスモン。
 桜はこの散り行く
 儚さこそが美しいのではないか。」
クスクスと笑い言ってのける
ロードナイトモンに、
デュナスモンはまた溜息を吐いた。
確かに、桜は散り際が一番
綺麗だと言うし、デュナスモンとて
多少は花びらが舞っている方が
綺麗だとは思う。
それでも、何となく。
散り行く桜は色も淡く、
似ても似つかぬ程にか弱いというのに。
何故かそれが
ロードナイトモンに重なって。
舞い散る花に包まれ、
浚われ消えてしまいや
しないだろうかと、怖くなった。
不安が募り、デュナスモンは
そっとロードナイトモンの腕を掴んだ。
「デュナスモン?」
問われ、デュナスモンは
どう答えようか迷い、
もごもごと口を動かした。
暫くそれを続けると、
デュナスモンは漸く口を開いた。


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