Royal Knights

□大いなる力には大いなる責任が伴う
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「ねーマグナぁ、
 マグナはどーして
 アーマー体になったの?」
ヴィドラの問いに、オレは首を傾げた。
相も変わらず脈絡がない。
いきなり思いついたままを言葉にする。
それについていけないのは、
恐らく普通の反応だろう。
「いきなり何だ。」
「ん〜……。
 何となく? 気になっちゃって。」
その答えに、オレは溜息を吐いた。
しかし、本当に脈絡のない
ただの思いつきではないのだろうと、
ヴィドラがさっきまで見ていた
テレビに目を向けた。
その傍らには、
仮面ライダー響鬼の
DVDパッケージが転がっていた。
そういえば、響鬼の中には
どうして変身して戦う道を選んだのかを
問う台詞があったような気もした。
……そうか、多分それだ。
「ヴィドラ、
 一つ言っておくぞ。
 オレは"オニ"じゃない。」
「……うん、知ってるよ?」
一応つけた前置きに、
ヴィドラは一瞬首を傾げてから頷いた。
その一瞬の間が、
少し気になりはするんだが。
「知ってるけど、
 そーじゃなくって。
 前にね、ドゥフトモンが
 言ってたんだ。
 アーマー体は、
 デジメンタルを使って
 進化するかどうか、
 自分で決められるんだって。」
続けられたヴィドラの言葉に、
オレは溜息を吐いた。
またドゥフトモンか。
アイツは変な事ばかり
ヴィドラに吹き込むから困る。
……一度締め上げたら黙るだろうか。
「でねでね、オレ今
 ヒビキ見てて思ったんだけど、
 マグナはどーして
 アーマー体になる道を選んだの?」
よし正解。
やっぱり響鬼を見ての問答だったか。
まぁ、それが当たったからといって、
別にどうもしないんだがな。
ハァと一つ溜息を吐いて
ヴィドラに向き直ると、
ヴィドラは何かを
期待する様な瞳でこちらを見ていた。
……アーマー体もハイブリッド体も、
変身ヒーローとは違うんだとか
言ってやったら、泣くだろうか。


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