Kernel

□アルファモンの依頼 四聖獣side
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デジタルワールドの中心といわれる
神の領域<カーネル>の地下で、
この世界の四方を護る四聖獣の長、
ファンロンモンは眠っていた。
その傍らには、その補佐役である
オウリュウモンが座っていた。

そこへ、アルファモンが
上空から降りて来た。
「よぉ、
 オウリュウモン。
 久しぶりだなっ!」
「アルファモン!?」
オウリュウモンは思いがけない来客に
驚きの声を上げたが、
主を起こしてはいけないと、
慌てて声を潜めた。
しかしその努力も虚しく、
眠りが浅かったらしいファンロンモンは
目を覚ましてしまった。
「……何じゃ、来客か?」
「ファンロンモン様!
 騒がしく
 してしまって申し訳ありません!!」
「良い。それより……。」
「ご無沙汰
 して居ります、
 ファンロンモン。」
起こしてしまった事を謝る
オウリュウモンを優しく制し、
ファンロンモンは
アルファモンを見やった。
目が合うと、アルファモンは
すかさず頭を下げた。
「おぉ、お主は
 アルファモン。久しいのぉ。」
ファンロンモンは、
まるで孫を見る祖父母の様に、
優しく目を細めて言った。
「オウリュウモン、
 此処は良いから、
 アルファモンに
 お茶でも出してお上げなさい。」
「ファンロンモン様……。」
「久しぶりに会ったんじゃ、
 積もる話もあるじゃろう。」
優しく言うファンロンモンに、
オウリュウモンが御礼を言おうと
頭を下げた瞬間、アルファモンが
慌てて待ったの声をかけた。
「違うんだ! いや、
 そりゃ久々に会ったんだし、
 積もる話だってあるし、
 ゆっくり話もしたいのは
 やまやまなんだが、
 今回はそうじゃなくて……。」
早口で言い切ったアルファモンは、
至極残念そうに俯いた。
ここは神の領域<カーネル>の深層部。
ロイヤルナイツといえど、
そう易々入って来れる場所ではない。
だからこそ、たまに会えた時こそ
ゆっくりのんびり話をしたいのだ。
しかし今日、アルファモンは
遊びに来た訳ではなかった。


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