Kernel

□北の地からMerry Christmas
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「てゆーかさ〜、
 何でオイラ達がこんな事
 しなくっちゃいけないワケぇ?」
ヴィカラーラモンの上に乗った状態で、
クンビラモンがぼやいた。
その傍らには、プレゼントの入った
大きな白い袋があった。
そう、今日は12月24日。
現実世界<リアルワールド>で
いうところの、クリスマスイヴ。
彼らは今日、サンタモンの手伝いとして、
デジモン達にプレゼントを配っていた。
「仕方ないだろ。我らが主、
 シェンウーモン様の
 お言い付けとあらば、
 従うのは当然というものだ。」
「それはそぉなんだけどさぁ……。」
宥める様に言うヴァジラモンに、
クンビラモンは
納得のいかない様子で答えた。
その表情が至極不機嫌そうに見えて、
ヴァジラモンは首を傾げた。
「何か引っかかるのか?」
「シンドゥーラモンの話じゃさ、
 この依頼って、元々は
 ロイヤルナイツが
 受けた奴だったらしいんだよね。」
「ほぉ。」
「なんだけど、
 数が多すぎて
 手に負えないからって、
 オイラ達のトコに
 回して来たんだってさぁ。」
勘弁して欲しいよね、と
同意を求めてくるクンビラモンに
頷いてやれば、クンビラモンは
少し嬉しそうな顔を見せ、
ロイヤルナイツへの不満を更に連ねた。
それに適当な相槌を打ちながら、
ふと気付いた。
……景色が、動いていない?
不思議に思って足下を見ると、
ヴィカラーラモンが
目を開けたままで寝息を立てていた。
「っ起きろヴィカラーラモン!!」
言って、自分達の乗る
巨大猪の背を蹴れば、
ヴィカラーラモンは漸く
目を覚ましたらしく、
キョロキョロと辺りを見回した。
「ちょっと、しっかりしてよ
 ヴィカラーラモン!
 アンタが寝てたらいつまで
 経っても終わんないじゃんかさ!!」
クンビラモンが叱咤すると、
ヴィカラーラモンは漸く自分のすべき事を
思い出したらしく、再び歩き出した。
「まったくもぅ。頼むよ?
 オイラ、今日は変な仕事
 押し付けられてストレス
 溜まっちゃってんだからさ!」
カリカリしているクンビラモンの頭を、
ポンポンと軽く叩く様に撫でてやれば、
彼は素直に此方を見上げた。


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