Kernel

□暴れん坊と情報屋
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「ぃよう
 ミヒラモン!
 調子はどうだぃ!?」
「まあまあだな。お前は?」
「勿論、絶好調さ!」
ミヒラモンの頭上を
旋回しながら飛んでいる
シンドゥーラモンを見上げながら言うと、
上機嫌な返事が返ってきた。
「何の用だ?」
「聞いたよ、
 昨日は随分荒れてたってねぇ。」
言われ、ミヒラモンは顔をしかめた。
確かに、昨日はムシャクシャしていて、
林を破壊した。
しかしあれは、
あんな細々した依頼を持ち込んできた
人間共が悪いのであって、我は悪くない。
そうだ、我は悪くないのだ。
それどころか、
街を破壊しなかっただけ
褒めて貰いたいものだ。
そう。
「我が悪い訳では無い。」
「そりゃあさぁ、
 街を破壊しなかったのは
 偉いと思うよ?
 でも、やっぱり
 自棄になって
 木ぃ投げ倒したのは、
 良く無かったんじゃない?」
クスクスと楽しげに
笑って言うシンドゥーラモンに、
心の内すらもお見通しなのかと、
ミヒラモンは驚いた。
しかし、それも
十二神将<デーヴァ>一の情報通である
シンドゥーラモンの所業なら
納得出来てしまうから不思議だ。
「だったら何だ。」
「謹慎くらわなくて済む様に、
 オレっちが口利きしてあげようか?」
笑顔で放たれた
シンドゥーラモンの言葉に、
ミヒラモンは警戒気味に目を細めた。
「一体、何が望みだ?」
「そぉだね〜……。
 オレっちと一緒に、
 お空の散歩、とか?」
拍子抜けする程簡単な交換条件に、
ミヒラモンはパチクリと瞬きをした。
もっと難しい事とか、
ヤバい事とか、面倒くさい事とかを
要求されると思っていたのだ。
面食らったのも無理はない。


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