Kernel.2

□ハロウィン前の一騒動
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「インダラモンインダラモン!!
 見て見て!!? 手も足もある!!!」
嬉しそうにはしゃぐサンティラモンに、
インダラモンは優しい笑みを返した。
「おお。お前はホント、
 どんな姿でも可愛いな。」
言って頭を撫でるインダラモンに、
サンティラモンは
顔を赤くして目を逸らした。
「……か、からかうなよ!!」
「からかって無ぇし、
 俺はマジで
 サンティラモンが大好きだぜ?
 例え、どんな姿になろうとも、な。」
「っ……〜〜〜め、飯!
 飯食おうぜ!!?
 オレ腹減っちゃって〜……。」
慌てた様子で話を逸らし
リビングへ行くサンティラモンに、
インダラモンはクツクツと笑った。
食事を机に並べ、
いつものように丸呑みしようと
口を開けたサンティラモンだったが、
姿が人間に変わってしまった所為で、
いつものように大きな口は開かなかった。
「……口、開かねぇ。」
「そりゃあ、人間の顎は
 ヘビみてぇに二重間接にゃ
 なって無ぇもんよ。
 噛み千切って、咀嚼してみ?」
「おぅ。」
答え、サンティラモンは
肉をよく噛んでから呑み込んだ。
「咀嚼が出来る……!!」
いつもと違って出来る事の多さに
逐一感動しはしゃぐサンティラモンが、
インダラモンは
可愛く思えて堪らなかった。
「食い終わったら、
 スーツェーモン様の下に来いって。」
「パジラモン?」
「そ、パジラモンからの伝言。
 その後
 十二神将全員中央神殿集まるって。」
「んー。」
朝御飯を食べ終えると、
インダラモンとサンティラモンは
共にスーツェーモン様の部屋へ向かった。
その途中、遠慮がちに
腕へ触れてきたサンティラモンに、
インダラモンは手を繋ぐよう促した。
仲良く手を繋いで現れた
インダラモンとサンティラモンの姿に、
パジラモンは溜息を吐いた。
「……何だよパジラモン。
 他者<ヒト>の顔見るなり
 溜息吐くとか、
 ちょっと失礼なんじゃねぇか?」
「それは済まぬな。
 そなたらが普段と変わらず
 仲の良い事に安堵しただけだ。」
パジラモンの言葉に
首を傾げるサンティラモンに、
インダラモンはニッと笑い
握っている手を持ち上げ、
サンティラモンの手の甲に
キスを贈ってやった。
「俺はどんな姿であろうと、
 サンティラモンが一番好きだからな。」
真っ直ぐに見つめて言われた言葉に、
サンティラモンは
顔を真っ赤に染め上げ、オレもと呟いた。


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