Kernel.2

□愛しき君を守る為
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「……やはり、一度
 サンティラモンの部屋を掃除するか。」
「は!!?
 何だよパジラモン!
 そんなに俺が
 信用なんねぇのかよ!!!?」
「寧ろ何を以て
 そなたに信用を置けると
 言えるのか
 甚だ疑問ではある処だが、
 今回はそういう意味では無い。」
「……なら、どーゆう意味だよ?」
「サンティラモンを浴槽に
 入れたままにするのは、
 少し心許ない。
 サンティラモンの
 部屋であれば、
 身体を浸すのに
 相応しい水槽があった筈だ。」
「…………ああ、そーいや
 寝室にデカイ水槽が――
 って何で
 お前がそんな事知ってんだよ!?」
「そなたが
 外で遊び惚けて居る間、
 そういう世話は
 我がだいぶやいて居たからな。」
淡々と答えたパジラモンに、
インダラモンは舌打ちをした。
「……じゃあ何か?
 お前、前にも
 サンティラモンの脱皮
 手伝った事あんのかよ?」
「無論だ。南の神殿において、
 サンティラモンの脱皮を
 知らぬは、そなただけであろうな。」
「……え、何だよソレ。
 スーツェーモン様も
 手伝った事あるってのかよ!!?」
「決まっていよう?
 そなたには知らせぬよう、
 密やかにサンティラモンを
 休ませる事など、
 スーツェーモン様の
 ご協力が無くては不可能であろう。」
パジラモンの答えに、
本当に知らなかったのは
自分だけだったのかと、
インダラモンは歯噛みし唸った。
その様子に、サンティラモンは
オロオロと尻尾を揺らして
申し訳無さそうに俯いた。
「……悪い、インダラモン。」
「いい。どーせ、また何か
 トラウマでもあったんだろ?」
だから気にしなくていいんだと
極力優しく笑うインダラモンに、
サンティラモンも
安心したような笑顔を浮かべた。
そんな二人の様子に、
パジラモンはまた溜息を吐いた。


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