Royal Knights

□生まれ変わって 君と逢う
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「デュナスモン。」
呼ばれて振り返ると、
デジタマを2つ抱えた
クレニアムモンがいた。
何故クレニアムモンがそんなものを
抱えているのかと首を傾げると、
クレニアムモンは一つ溜息を吐いて
用件を述べた。
「イグドラシルからの命令だ、
 このデジタマはお前が育てろ。」
言って、クレニアムモンは
2つあるデジタマの内1つ、
ピンク色のものを差し出した。
しかしデュナスモンはワケが分からず、
更に首を傾げた。
「……何故俺が?」
何故自分に子育てなどという
任務が回ってくるのか分からず、
デュナスモンは問いかけた。
とはいえ、イグドラシルの命令だと
言われてしまえばそれまでなのだが。
「先日、人間界に進攻しただろう。」
「ああ、イグドラシルの命令でな。」
「あの時、人間と直接戦って
 倒された者らがいただろう。」
「ロードナイトモンとドゥフトモンか。」
「そうだ。これは、
 その2人のデジタマだ。」
デジタマの正体に、
デュナスモンは声を上げて驚いた。
ほんの数日前まで隣にいた戦友<とも>が
このデジタマだとは、
考えもしなかった。
「これが……?」
「お前とロードナイトモンは
 長い事コンビを組んでいただろう?」
「ああ、まあそれなりに
 付き合いは長いつもりだが。」
デュナスモンが答えると、
クレニアムモンは半ば無理矢理
ピンクのデジタマを押し付けた。
「付き合いが長いなら、
 世話もしやすいだろう。
 それは、お前に任せたぞ。」
「は!? お、おい!
 クレニアムモン!!?」
クレニアムモンは
デジタマを1つ押し付けると、
デュナスモンの制止も聞かず
逃げる様に立ち去って行った。
一人残されたデュナスモンは、
クレニアムモンが去って行った方を眺め、
ただ呆然と立ち尽くしていた。
そしてゆっくりと目線を下げ、
手の中のデジタマに向かって
愛しい戦友<とも>の名を呟いた。
「ロードナイトモン……。」
その瞬間、デジタマが
応える様に震えたのに、
デュナスモンが気付く事はなかった。


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