Royal Knights

□清しこの夜
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他人に興味を抱く事など
滅多に無いこの相棒が、
自分の飲んでいる物に
興味を持ったのだ。
好きな相手が自分に
興味を抱いてくれるなど、
嬉しい事この上なかった。
その照れを何とか冷まそうと、
デュナスモンは握ったままだった
缶コーヒーを開け、飲み始めた。
その顔を見ながら、
ロードナイトモンはクスリと笑った。
「しかしデュナスモン、
 お前よくこんな
 安っぽい物を好んで飲んでいるな。」
「……そりゃあ、
 お前が飲んでいる
 ローズティーに比べれば、
 よっぽど安っぽいだろうよ。」
お前、あれが幾らするのか
知って言っているか?
溜息交じりにデュナスモンが答えれば、
ロードナイトモンは
「それもそうか」と笑った。
「時にデュナスモン、
 お前この後はどうするつもりだ?」
問われた意味が分からず首を傾げると、
ロードナイトモンは楽しそうに笑った。
……いや、今日のロードナイトモンは
何故かずっと楽しそうだったが。
「何処かへ寄って行くか?」
「寄って行くも何も、
 この時間じゃ
 何処も閉まっているだろう?」
デュナスモンは怪訝な顔をして答えたが、
ロードナイトモンは
やはり楽しそうだった。
その意が汲めず、
デュナスモンはまた首を傾げた。
「……少し寄りたい所が
 あるのだが、良いか?」
「ああ、俺は別に構わんが……。」
答えると、
ロードナイトモンはにっこり笑い、
飲み終わったコーヒーの缶を
ゴミ箱に捨てた。
同時にデュナスモンも空き缶を捨てると、
ロードナイトモンは
その手を掴んで飛び立った。
手を繋ぐ事などいつ以来かと考え、
デュナスモンはまた頬を染めた。
恥ずかしいのもあったが、
それよりも嬉しかった。


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