Royal Knights

□清しこの夜
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暫く飛んでいると、
セントラルシティに行き着いた。
そこは現実世界<リアルワールド>から
やって来たテイマー達が
宿泊する街であった。
その街が、クリスマス一色に
染まっていた。
街の中央には
クリスマスツリーが立てられ、
それを中心として街中が
イルミネーションで
綺麗に飾り付けられていたのだ。
「うわぁ……。」
感嘆の息を漏らすデュナスモンに、
ロードナイトは満足そうに笑った。
「美しいだろう?」
「ああ、綺麗だ。」
素直に頷いたデュナスモンに、
ロードナイトは更に
満足気な笑みを浮かべた。
「お前は、以前私が言う
 美しさの基準が良く分からないと
 言っていたが、これならお前も
 美しいと感じる事が出来るだろう?」
「……ロードナイトモン?」
ロードナイトモンがどうしてそんな事を
言うのかが分からず、
デュナスモンは首を傾げた。
しかしそんなデュナスモンの反応に、
ロードナイトモンは
愛おしそうに瞳を細めた。
「いや何、同じ想いを
 共有するのは
 素晴らしいと思っただけだ。」
大して気にする事ではないと、
ロードナイトモンは笑った。
その笑顔に何処か影がある様に感じて、
デュナスモンは口を開いた。
何か言ってやりたいのだが、
何をどう言えば良いのか分からず、
デュナスモンは口を閉じた。
それでも、何かしたくて。
デュナスモンは、ここに着いた時に
一度放してしまった手を、
もう一度握り直した。
己のそれより小さな手を
壊してしまわぬ様、細心の注意を払って。
ロードナイトモンとしては、
意外にシャイなこの相棒が、
自ら手を握ってきた事に驚いたが、
デュナスモンが自発的に
自分に触れてくれた事が、
ただ純粋に嬉しかった。
成長期の頃までは、
こうして手を繋ぐのも珍しくなかったな
と思い返して、
ロードナイトモンはクスリと笑った。
繋いだ手を握り返して、
相手の顔を見やれば、
恥ずかしいのか明後日の方を見ていた。
それが、ロードナイトモンには
可愛く映って仕方なかった。


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