Royal Knights

□薔薇色の輝石に貴方を求め
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バザーでは、中古品や売れ残りなどが
安く売られていたが、それと同じくらい
焼きそばやたこ焼きなどの
定番の出店も多くあった。
普通、出店はバザーには
出回らない筈だし、この状態だと
アキバマーケットと何が違うのか
判りやしないと首を傾げながら、
デュナスモンはバザーを見て回った。
その中に天然石を売っている店があり、
デュナスモンは足を止めた。
そこではルビーやサファイア等の
宝石も売られて居り、
ロードナイトモンが美しいと
言いそうなものが多く並んでいた。
商品の前には、それぞれ
その石の名前が書かれた
プレートが置いてあった。
その中に一つ、
相棒と同じ名前の書かれた石を見つけ、
デュナスモンは思わずそれを手に取った。
それは濃いめのピンク――
否、バラ色というべきか――
の中に、黒や白などが
混ざった感じの色であった。
それを、デュナスモンは
綺麗だと思った。
同じ名を持つ相棒と
よく似ているとも思い、
口元に笑みを浮かべた。
それを見た店主と思しき中年男性は、
すかさずデュナスモンに話し掛けて来た。
「気に入ったかい?
 その石は
 ロードナイトと
 いうんだが、
 別名"薔薇輝石"
 とも呼ばれていてねぇ。」
「ばらきせき……?」
相棒と同じ名前のこの石は、
彼の好きなバラの名まで
持っているのかと、
デュナスモンは思わず笑ってしまった。
店主が自慢気に
この石の説明をしていたが、
デュナスモンの耳には入らなかった。
それほどまでにデュナスモンは、
愛しい相棒にどこまでもよく似た
この石が気に入ってしまったのだ。


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