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□聖なる夜に指切りを
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「チョコモン、
 忘れちゃった〜?
 これはねぇ〜……。」
「分かっている。」
答えないケルビモンに、
もう忘れてしまったのかと、
指切りの意味を説明しようとした
セントガルゴモンの言葉を遮り、
ケルビモンは差し出された
小指に己の小指を絡めた。
それを見ると、セントガルゴモンは
えへへと嬉しそうに笑った。
「ゆ〜びき〜りげ〜んま〜ん
 う〜そつ〜いた〜ら
 は〜りせ〜んぼ〜ん
 の〜ますっ! ゆ〜びきったぁ!」
セントガルゴモンは
繋いだ小指をそのままに
腕を上下に振りながら歌い、
歌いきるとその指を放した。
「必ず帰ってくるからね。」
笑顔で言ったセントガルゴモンの腕を、
ケルビモンは思わず掴んでいた。
「チョコモン?」
「あ……。悪い。」
慌てて手を放したケルビモンを、
セントガルゴモンは優しく抱きしめた。
そして、小さい子供を宥める様に
その背中を軽く叩いた。
「だ〜いじょ〜ぶ。
 大丈夫だよ〜、チョコモン。
 絶対、ちゃんと
 ココに帰ってくるからねぇ〜。」
一旦、ギュウッと強く抱き締めると、
セントガルゴモンはケルビモンの額に
軽いキスをして離れた。
「……待ってるから。
 必ず、帰ってこい。」
「うん。」
若干涙を滲ませて言うケルビモンに、
真っ直ぐな瞳を返して頷くと、
セントガルゴモンはニッコリ笑って
プレゼント配りの手伝いへと
出かけて行った。
その背中を見送りながら、
ケルビモンは一つ溜息を吐いた。
無事に帰って来てくれる様、
天に祈りながら。

聖なる夜に祈りを込めて……。


END


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