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□X'masパーティー 後編
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絶望し落ち込む風間を心配そうな面持ちで見つめていた千鶴がおずおずと声を発した。

「あ、あの…」

「どうした、千鶴?もう安心だぜ!」

「あ、うん…」

「雪村くんには大変ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした」

「い、いえ…」

「何、どうしたの?せっかく嫌な相手をしなくて良くなったのに浮かない顔だね」

「…いやな…?えっと…その…私…」

珍しくモジモジと落ち着き無く体をよじり、視線をさ迷わせる。
その行動に『どうした?』と問われ、千鶴は意を決し両手を胸元で握りしめた。頬は淡く染め上げ、そして大きな瞳を皆に合わせて告げる。

「…お、お願いがあります!えっと…皆さんの大事なお時間を、私に頂けませんか?
…私…み、皆さんとX'masをどうしてもご一緒に過ごしたいんです!!…その…こんなこと言ったらご迷惑だとわかっているんですが…お願いします!」

「「「「「っ…!!」」」」」

ペコッとお辞儀をして、キラキラっと真剣な眼差しで、恥じらい潤うんだ瞳を上向きにして皆を見上げる。
その瞳は曇りなどなく澄んでいて、先ほどの自分達の醜い争いなど無かったことになる程いじらしく…そして愛しい。
皆千鶴のそんな可愛さに胸をズキュンー!!っと射ぬかれ

「い、良いに決まってんじゃんっ!!な、左之さん、新八っつぁん!!」

「お、おお…!当たり前よっ!!」

「千鶴と一緒に過ごせるなんて願ったり叶ったりだぜ」

千鶴の可愛さにやられた平助、永倉は顔を赤らめてしどろもどろだが原田はいつもと同じく余裕の表情。

「仕方ないな。千鶴ちゃんのお願いとあっては聞いてあげるよ」

「ゆ、雪村…」

「雪村くん…」

いつもの笑みとは違い優しい表情を見せる沖田、そして冷静な斎藤・山崎も頬を朱に染めてドキマギと固い動きをしていた。

少し離れた場所から傍観者として眺めていた山南が横に佇む土方に問いかけた。

「どうしますか、土方教頭?」

「……たくっ」

にっこりと微笑む山南、口では悪態を付いたがそれとは裏腹に優しく頬を緩める土方。
近藤は良かった良かったと満面の笑みを向けて嬉しそうに喜ぶ。

……風間だけは呆然と千鶴を見つめていた。

その視線に気がついた千鶴は風間の目の前に立ち…

「…あの、風間さん、パーティーの事ありがとうございます。風間さんがいらっしゃらなかったら皆さんと一緒に過ごすことが出来ませんでした。…それで…あの、風間さんもご一緒お願い出来ませんか?」

『えっ…!?千鶴?!』と後ろから驚き声を上げる平助たちを気にせず、千鶴は彼を誘った。

「………」

「………」

じーっと静かに互いの視線を反らさず見つめ合う。
『何、あれ』と沖田の不機嫌な声が聞こえてくる。

珍しく千鶴が目を離さずに見つめてきたため風間の頬は仄かに染まり恥ずかしそうにプイッと視線を反らし、低音声で呟いた。

「…お前がそこまで言うのなら仕様無いからくれてやってもいいだろう」

素直じゃない風間に千鶴はクスッと嬉しそうに笑みを洩らし『ありがとうございます』と伝え、一同はまだ食べていないご馳走が用意されている体育館へと足を向けた――…。





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