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□贈り物
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「千鶴、ちょっといいか?」


原田は廊下を歩いていた千鶴に声をかけた。


「はい、何ですか?」


「ちょっとな…俺に付き合ってくれないか?」


「はい…」


千鶴は訳も分からないまま原田についていき、ある店にたどり着いた。


そこには、千姫がいて


「千鶴ちゃん、待ってたのよっ!!さぁ早く中に入って!!」


「えっ!?でも、原田さんが……」


「俺のことは気にすんなよ」


原田は一言いうと向かいの茶屋に行ってしまった。


千鶴と千姫は店の中へ入り右端の部屋に入った、そこには君菊が女物の着物を持ち、二人を待っていた。


「千鶴様、こちらの着物にお着替えください。」

「えっ…でも千ちゃん……。」


「今日は、特別なの」


千姫の言葉に疑問をもちながら千鶴は着替えた。

「千鶴ちゃん可愛い!!」

「よく似合っておりますよ」


「そうかな…?」


桜色の着物を着た千鶴はいつもとは印象が違う。高く結った髪もおろし、どこから見ても女の子だ。


千鶴が店の外へ出ると原田が待っていた。


「千鶴……綺麗だぜ。」

「そんなこと…ないです////。」


千鶴の頬が赤くなる。


それを見た原田は笑顔で千鶴の頭を撫でる。


「それじゃ、行くか」


「えっ…何処に行くんですか?」


「すぐに分かるから、俺についてこい」


原田は千鶴の手を握り、歩き出す。まわりから見れば恋人同士のようだ。

「ついたぜ」


ある店の前についた。ここはいつも巡察のときに千鶴が立ち寄る店だ。


「ちょっと待ってろ」


原田は店の中に入っていってしまった……


一人で待っている千鶴に二人の浪士が話しかけてきた。


「なぁ、あんた一人かい?京は何かと物騒だ。俺たちと一緒に行かないか?」


「あの…私、人を待っているので…」


「何だと!?俺たちと一緒は嫌だってのかっ!!」


一人の浪士が刀を抜き、その刀を千鶴に向ける。

千鶴は足に力がはいならくなり、その場に倒れてしまった。


「助けて……」


「助けを呼んで無駄だ……」


すると浪士の後ろから


「おい!!人の女になにしやがるっ!!!」


原田が今までみたことのないほど恐い顔で浪士を睨む。


「おい!!こいつ新選組の原田だぜっ!!」


「うわぁぁぁっ!!」


浪士は原田を見た途端、逃げ出してしまった。


原田は千鶴を立たせ抱きしめた。


「すまねぇ、俺のせいでお前を怖い目にあわせちまった……」


「大丈夫…です。きっと原田さんが助けに来てくれると信じていましたから……」


大丈夫だと千鶴は言っているが小刻みに震えていた。


それから、先ほど着替えた店に戻りいつもの格好になると原田は部屋の中に入り一つの簪を取り出した。


「原田さん…その簪…」

「お前、この間ずっと欲しそうに見てただろ、だから女の格好したお前につけてやりたかったんだが……」


千鶴は少し驚いていた。

「嬉しいです。でも私なんかには似合いませんよ……だから、原田さんの大事な人に渡して下さい。」


原田は少し困っていたがふっと笑った。


「お前……鈍感だな、俺は好きでもない女に贈り物なんてしねぇよ。」


「それって……」


原田は千鶴に近づき


「これから言うことはみんなには内緒だぜ」


「……?」


原田は千鶴の耳元でつぶやいた


「愛してるぜ…千鶴」





end


.




素敵サイトさま『りんごあめ』和華助さまより相互記念で頂戴致しました〜(*´ω`*)


きゃー(p*´□`*)p
原千!!あま〜い!!w
な、なんて私特なお話!
左之さんのカッコ良さに悶えます!
そして千鶴ちゃんの娘姿!
キター\(^o^)/
私の大好きなシチュエーション…

和華助さま素敵な作品を本当にありがとうございました〜!
大切にさせて頂きます!
 

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