†++DIVINE++†
□++胸の痛み++
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父が死んだ。
民生さんからの電話は、寝惚けたオレの頭に強い衝撃をくれた。
緊張したような、幽かに震えたような声で民生さんは、詳細が話したいから来てくれと云った。泣いていたのかもしれない。
あんな人でも父だった。
父のせいで、辛い、哀しい目に遭った人は沢山いる。命を落とした人だって、少なくない。
そんな人でも父だった。
母が愛した、父だった。
父を殺すのは、オレだと思っていた。
だから優見だって利用したし、先祖の塚だって破壊した。良心の呵責なんて無い。
ただ、力が欲しかった。父を殺せるだけの、力が欲しかった。
殺すのは、オレだった筈なのだ。
その父が死んだ。
何も考えられなかった。