++++ワンダーフォーゲル++++ †++PARADAISE OVER ANNEX++†
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岩砂が風に巻き上がり、頬を叩く。
彼等は顔を顰めながら辺りを見回した。
「此方」とは比較にならない程闇が深い。
それでも先日穴を通った時とはまた違う場所に出ていることは見当がついた。
蒼道が直ぐ近くにあるのか、夜光草が其処此処で光を放っているため足許がぼんやりと明るい。
とりあえず蒼道を捜すことにして、逸れないように手を繋いだ。
手近に咲いていた夜光草を一輪摘み、暫く歩くと足許に広がる岩砂が蒼い煉瓦敷きの道に変わった。
其の煉瓦の向きを夜光草を当てて確認する。
西へ向けて辺りを確認しながら注意深く歩いた。
南に顔を向け、100メートル毎に立てられた所在表示のプレートを探す。
目をこらすと薄ぼんやりと輝くプレートがすぐに見つかった。
発光するそれには王都からの距離と、経緯度が表示されている。
其処から500メートル程歩いて、蒼道を外れた。
街の外には蒼道以外に道は無い。
後は記憶と勘に頼って進んで行く。
夜光草の灯が、僅かに行手を照らし出した。
「あ、灯」
亮介が指差した先には、見慣れた窓に灯が揺れていた。
小さな窓から漏れる僅かな光が、深い闇に浮かんでいる。
ほっとして歩を速めた。
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