□ブックタイトル
ツキガミ -TUKIGAMI-

□執筆開始日
2008年12月27日

□カテゴリー
小説
 私小説

□概要
 俺の名前は佐倉咲。
 ……サクラサキでもサクラサクでもない、俺の名前はサクラショウだ。ついでにれっきとした男。

 俺は自他共に認めるオカルト(というより非現実的物事全般)潔癖症である。オカルトに関わる総てが大っっ嫌いなのだ。
 「オカルト」に関する言葉を聞いたり見たりするだけでジンマシンが出るくらいだ、筋金入りと言っていい。

 そんな俺だが、ある日を境にそんな大っっ嫌いなオカルトに、何故か関わるハメになってしまった。
 お陰で毎日、毎日非現実的事象に出会すわ、非常識極まりない物事を体感するわ……俺の平穏無事な日常は遙か彼方だ。最低だ、最悪だ、不条理だっ!


「……といいつつ、その不条理を受け入れつつあるのはどこのどなたでしょう?」

「案外楽しんでるクセに。」

「潔くないのぅ……往生際が悪いぞ、小僧。」

「…………学級委員メガネっ子に無愛想野郎と巨体黒ワンコが黙れ。」

「誰がワンコだ誰が!!!!」

「まぁまぁクロさん落ち着いて……所詮小童の戯言ですから。ね、セイさん。」

「ああ。コイツはガキだからな……朔也や俺達が大人になってやらんと。」

「……平穏な日常に帰りたい。」



こんな感じで、今日も元気にオカルトしてます。


□読者へのメッセージ

 平凡な大学生佐倉咲(サクラショウ)は、幽霊や妖怪等のオカルトを一切信じない現実主義者。オカルトと聞くだけで鳥肌が立つ程、オカルトに対して否定的である。
 そんなショウがある時、友人と共に地元で有名な心霊スポットへ肝試しにやって来た。するとそこで信じられない現象を体験してしまう。
 心霊スポットを訪れたショウ達に襲い来る、異形の姿をした化けモノ。それは自分の領域を遊び半分で侵すショウ達に、激しい怒りを抱いていたのだった。
 異形の化けモノの洗礼を受けたショウ達は、一人、また一人と次々に化けモノの餌食となる。
 絶体絶命のピンチ、迫った魔の手が今にもショウの命を奪うという正にその時、頭の中へ一瞬響いた声音。刹那、一陣の突風と共に、異形の化けモノは悲鳴を上げた。
 ショウを守ったその正体は、なんと牛程もあるだろう巨体の黒い獣だった。犬よりも雄々しく、獣よりも賢しく、狼よりも凛々しい姿の巨大な黒獣。

 ・
 彼との出会いが、ショウの日常を変えていく……。





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