天降




 遥か古の昔。

 人々が“神話”と呼ぶ時代。
 世界は三つに分かれていた。


 神々がおわす“神世(カムヨ)”と、

 人々が暮らす“人世(ヒトヨ)”と、

 異形の住む“彼世(カノヨ)”と。


 ある時一人の神様が、神世から人世へと降りたった。
 今まで人間なんぞ見た事の無かった神様は、初めて“人”を見た。

 ある時一人の人間が、天から降りた神を見た。
 今まで神様なんて見た事の無かった人は、初めて“神”を目にした。


 神様と人間は、この時互いに“恋”をした。




 決して赦されぬ禁忌の“恋”を。



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