零の魔女

□10話
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胸を焼かれたエースは膝をついた

何が起きたかいまいち把握できなかった
そのまま茫然と立ち尽くすアモ

(エースが…やられた…?)

それがわかると悲しみと怒りが込み上げてきた
だが身体に力が入らず、膝をついてしまう

「マルコ隊長!!ビスタ隊長!!」

誰かの声で動かない首を上げれば、
赤犬とジンベエとの間に
覇気を全開でだすマルコとビスタが入る







アモの耳に色々な声が入ってくる
だが、身体は動かない

「お前絶対死なねぇって…!!言ったじゃねぇかよぉ
 エースぅ〜〜〜!!!!」

エースはルフィに身をあずけ
息を切らしながら口を開く

「…そうだな…サボの件と…
 お前みてぇな世話のやける弟がいなきゃ
 おれは…生きようとも…思わなかった…」


―ゴールド・ロジャーにもし子供がいたら?そりゃあ打ち首だ!!!


「誰もそれを望まねぇんだ 仕方ねぇ……!!」


―世界中の人間のロジャーへの恨みの数だけ針を刺すってのどうだ?

―火炙りにしてよ…!!死ぬ寸前のすの姿を世界中の笑い者にするんだ!!

―みんなが言うぞ?!「ざまぁみろ」ってぎゃははは

―遺言はこう言い残して欲しいねぇ「生まれてきてすみませんゴミなのに」

―まぁいるわけねぇが



―エース!!!お前また町で事件を!!!

―うるせぇ!!みんな殺してやったとこだ!!


「…そうだ、お前いつか…ダダンに会ったら…
 よろしく言っといてくれよ…何だか…
 死ぬとわかったらあんな奴でも懐かしい…
 
 心残りは…一つある…
 お前の―夢の果てを見れねぇ事だ…
 
 …だけどお前なら必ずやれる…!!!
 おれの弟だ…!!!

 …昔…誓い合った通り…おれの人生に…悔いはない!!」

「…ウソだ!!ウソつけ!!」

「ハァ…ハァ…ウソじゃねぇ…!!

 …おれが本当に欲しかったものは
 どうやら名声なんかじゃなかったんだ…

 …おれは”生まれてきてもよかったのか”
 欲しかったのは…その答えだった

 ……ハァ…もう大声もでねぇ…

 ……アモ………」

エースに呼ばれ、アモはハッと顔をあげる

「…お前にも、感謝してる…

 何度も…何度も…お前の笑顔に助けられた…

 …お前の事…あの日からも、ずっと好きだった…」

「ッエース!!」

我慢していた涙が溢れだしてくる

「…泣くな…おれは、お前の笑顔が…ハァ、好きなんだ…」

エースは残り僅かな力で腕をあげ、
アモに手を伸ばす
アモは首をふり、頑張って笑顔をつくる
立ち上がり、エースの手を優しく握る

「…っ…ありがとよ……アモ…

 お前の笑顔が見れて、よかった… 

 …ルフィおれがこれから言う言葉を…

 お前 後からみんなに…伝えてくれ」

「………!?」

「……!!オヤジ……!!みんな……!!そしてルフィ……

 
 

 今日までこんなどうしようもねぇおれを


 


 鬼の血を引くこのおれを……!!



 


 愛してくれて……ありがとう!!!」







エースの手がアモの手から落ち、
ルフィの身体からずり落ちる














「エーースーーーーーーーーーーーー!!!!!!」














ポートガス・D・エースは死した

















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