零の魔女

□12話
1ページ/1ページ


















「…」

アモ、マルコ、シャンクスの目の前には
シャンクスが作った白ひげとエースの墓

「赤髪…何とお礼を言ったらいいか…」

「つまらねぇ事を言うな…敵でも白ひげは敬意を払うべき男さ…
 センゴクですらそうだった…
 じゃあ、おれ達はもう行く…」

「あぁ…ありがとよい」

シャンクスは黙ってアモの頭を撫で去っていった

「……アモ」

「…」

アモはあれから魂が抜けたように
ただずっとボーッとしていた

「っ」

マルコは膝を抱えて座るアモを
後ろから抱きしめ、安心させるように頭を撫でた

「泣きたいなら声出して泣けよい、
 くだらない我慢なんかしなくていいからよい」

「…っ」

「…強がらなくていいからよい…」

アモはゆっくりと口を開く

「…マルコ兄…僕、弱い…
 また、大事な人…守れなかった…悔しい、よ…
 僕が…弱いから…
 …お父さんも…エースも…」

「ッ、おまえのせいじゃないよい!」

「これじゃ、昔と一緒だよ…」

マルコは震える声で言ってくるアモを向き合うように抱きしめ
アモの顔を自分の胸に押しつけた









「僕は、また…ただ見てただけ…で…
 大事な人を、守れなかった…人に弱いとか言っといて…
 1番弱いのは…いざという時に動けなくて、誰も守れない…
 





 僕だよね…」









静かに語るアモの瞳からは
大粒の涙が溢れていた





「ぅ、うぇ、ふぇ、わぁあああああああああああああん!!!!!!」






アモは顔をぐちゃぐちゃにして泣き叫んだ
今まで我慢していたものをすべて吐き出すように
マルコは自分もうっすら涙を流しながら
アモをなだめるように頭を撫でていた

アモの泣き声は周りの船員達の心にも響いていた




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ