零の魔女

□18話
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アモとローの距離は変わらず
ただお互い見つめ合っていた

「…アモ」

ローは一歩踏み出しアモへ近づき手を伸ばす

「…」

アモは返事をせず一歩下がった
それを不思議に思いローは足を止める

「…七武海に、なったんだね」

「!…あぁ」

本人からの肯定の言葉に胸が苦しくなる

「…何で、七武海に入ったの?」

「…」

「教えてくれないの?」

何度きいてもローは口を開かない
久しぶりの再会は気まずい空気が流れる


(リアルに関係ピンチな感じだねぇ、若いなー)

第三者としてスモーカーの上で傍観するカイリ

「てめぇはさっさとどけやがれ!」

「うっせぇぞスモーカー、今ドラマみたいな展開になってんだから黙ってろ」

「このクソ餓鬼」

「クソ餓鬼にふんず蹴られてるてめぇは無様だなクソじじい」


「…教えて、くれないんだ」

アモはローの態度に目を伏せる

「…アモ」

ローはまたアモに手を伸ばそうとするが
今度は手を弾かれる

「!」

「…」

「若いな、そう思わない?スモーカー」

「知るか」

アモとローの間に気まずい空気が流れ
それを呑気に見守るスモーカー達
すると建物の中からバタバタと複数の足音が聞こえる

―ばーん!!!

「ハチャ―!外だー!!」

様々な人物の登場にその場にいた全員が驚く




「外!寒いー!!」

「スーパー!!!」

「「「スーパー!!!」」」





「麦わらの一味!!」

「なんだ、あのガキども…でっか」





「あーあんた達見覚えある!!」

「そうだ!シャボンシティにいた奴だ!
 あと白ひげの一味ーーー!!」

「「…」」

騒ぐ麦わらの一味や子供にアモとローは眉間に皺が寄る
アモはナミの姿を見て自分のコートを脱ぎ、手渡した

「え」

「着なよ、さすがにその格好じゃ寒々しい」

「あなたも結構寒そうだけど」

「僕は能力的に寒さとか関係ないからね
 だから遠慮しなくていいよ」

「あ…ありがとう」

ナミはアモの気持ちを素直に受け取りコートを羽織った

「君はいつぞやのかわいこちゃん!!!」

「ねぇ、ルフィは一緒じゃないの?」

「ルフィ?今ルフィは別行動だぞ!」

「なんだ…というかここにいて大丈夫なの?
 海軍結構な数いるけど
 子供連れじゃ結構面倒なんじゃない?」

「!確かに…みんな中へ!!」

麦わら達の人声で皆また中へ戻っていく

「多少なら時間稼ぎしといてあげるよ」

「お前はどうするんだ?」

「僕はルフィに用事があるから、もうちょっと外探してみるよ」

「そう、なんかわからないけど
 コートありがと!」

「いえいえ」

アモは軽く手を振り麦わらの一味と子どもたちを見送った

「麦わらの一味を捕えます!!」

たしぎを始めとし、海軍は建物の中へ逃げ込む麦わらの一味を追う

「チッ、”ROOM”」

軍艦まで広がるサークルが作られ、
ローが指を動かせば浮かび上がる軍艦

「軍艦が浮いたーーー!!」

「なんだこれーーー!!」

「オペオペの実、【改造自在人間】
 久々に見たなぁ、この能力」

騒ぐ海兵の中、カイリはスモーカーの上からゆっくり立ち上がり
浮かび上がる軍艦を見上げた





「なーんか、めんどくさいことに巻き込まれそうな予感」




カイリは呟きとは反対に楽しそうな笑みを浮かべていた






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