零の魔女

□11話
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ティーチとセンゴクとの戦いが始まった
腸が煮えたぎる想いを抑え、周りの様子を見る

(バカみたいな戦いだな
 何が正義なんだろ
 だから海軍は嫌いだ
 海賊は悪というのは否定しないけど
 でも海軍って正義じゃないよね?
 皆、何してんだろ?
 海軍は全員が何してるのかわかってるのかな?
 ただただ目的のために
 人の命を無駄に亡くしていく…
 これが正義を語る奴がすることなのかな…?)

「こんなクソな正義壊してやる」

怒りのままに手に集めた黒い光を
ティーチとセンゴクに放つ

「― 無黒 ―」

今までと非にならないぐらいの破壊力

「チッ 魔女が…!!」

「ゼハハ!やはりほしいぞ!!おまえの力!!」

「黙れ!!全てを壊す!!
 ティーチ、お前は骨も残らないと思えよ!!」

黒い光は何度もティーチに放たれる

「死ねぇええええ!!魔女!!」

黒ひげの部下が向かってきたが
紅い瞳で睨めば、押しつぶされるように膝をついた

「弱者は眠ってろ!!!」

コエコエの実の能力で怒鳴れば
近くにいた黒ひげの部下や海兵達は
バタバタと倒れていく



「そこまでだぁああああ!!!」

ふと遠くから声が聞こえ
振り返れば、軍艦にのる1人の海兵

「もうやめましょうよ!!
 命がも゛ったいだいっ!!!
 目的は果たしているのに…!!
 戦意のない海賊を追いかけ…!!
 止められる戦いに欲をかいて…!!
 今、手当てすれば助かる兵士を見捨てて…!!
 犠牲者を増やすなんて今から倒れていく兵士達は…まるで!!!

 バカじゃないですか!!?」

1人の海兵のおかげで数秒時が止まった

(…なんだ…あいつ…)

その海兵の前にまた赤犬が立っている

「チッ」

アモは、龍の姿に変え
1人の海兵と赤犬の元へ向かう
鴉の翼よりも何百倍のスピードがでていた

「あああああ!!」

―ドンッ

海兵と赤犬の間にみえる
見た時がある赤い髪








「よくやった、若い海兵…

 お前が命を懸けて生み出した勇気ある数秒は良くか悪くか
 たった今世界の運命を大きく変えた」








「シャンクス…」









「この戦争を終わらせに来た!!!!」
















「久しぶりだな…アモ」

「…」


龍の姿から元の人の姿に戻りシャンクスの前に降り立つ
シャンクスは黙って優しく頭に手を起きそっと頭を撫でた
アモの瞳がすっと元の青色に戻る

「少し待ってろ」

その言葉を残してシャンクスは横を通り過ぎていった

「……アモ…」

アモの目の前にはマルコが立っていた

「ま、るこ…にぃ…」

「…ッ」

うまく舌が回らないアモを
マルコは何も言わずに力強く抱きしめた

「っ、ぅ、うぇ」

それで一気に涙が止まらないぐらいに溢れだし
声を精一杯殺して泣いた







短いようで長かった戦争は幕を閉じた
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