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□悩みの話
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もう食わないのか、とアッシュはほとんど手の付けられていない英二のプレートを顎で示した。
フォークを卓に置いたまま残りの肉のソテーを睨み付けて英二は答える。
「体重が、増えたんだ」
へえ、とアッシュは短く答えて読みかけていた新聞へと視線を戻した。
視線はそのままに器用に食事を口に運んでいる。
「……ここ三週間で二キロも」
英二はちらりとアッシュを窺うがアッシュの視線は相変わらず新聞へと注がれている。
「気にしないで食えよ。それくらい大したこと無い。見た目だって全然変わってないぜ」
「……そうかい?」
アッシュの方を窺いながら英二はおずおずと再びフォークを握る。
「君は良いね。食べても細いままだ」
さも羨ましそうにソテーを口に運び始めた英二にアッシュはふと鼻で笑った。
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