長編小説

□8話
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「へぇ、結構いろんなもんが出てんだな。」

なぜか私は中村と文化祭を回っている。

「……。」

「おい、聞いてんのかよ、水谷!」

「あぁ、聞いてる聞いてる。」

自分でも投げ遣りな返事だと思いつつも、元気が出ない。

「ったく、男一人でこんなとはな。」

「…誰もそんな話してないでしょ?」

「落ち込んでるくせに。」

「………。」

私は手に持っているグラタンホットドッグに目を落とす。

「忙しいんだから仕方ないって分かってる。」

視線は上げずにそう呟いた。

分かってるけど…。

なんか、もう、ほんと自分だめだな…。
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