夢書庫*秀徳長編*

□サルビア荘。
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秀徳高校に入学した。
私は関西の方に住んでいた。
家から通えないので最近この高校の近くに建てられた「サルビア荘」で
一人暮らしすることになった。

「ここね。」

私は、入学式の一週間前である今日から
ここに住み始めようと決めていた。
入学式までにサルビア荘での生活に慣れるためである。

最近建てられたということで
白く塗られた外装が眩しい。

見たところサルビア荘には
一階と二階を合わせて4部屋あった。
一階の大きな一部屋は共有スペースになっているので
実際に住めるのは三人だ。

「どんな人が一緒に住むことになるんだろうな。」

何気なくつぶやいた一言に。

「・・・引越し蕎麦は用意したのだろうな。」

背後から、それもかなり上の方から声が降ってきた。

「ぇ・・・?」

振り返るとそこには・・・

「お前なのだろう?今日引っ越してくると言っていた女は。」

眼鏡をかけた巨人がいた。
しかもごつい見かけには反して
可愛らしいうさぎのぬいぐるみを持っている。


これが私とキセキの世代、緑間真太郎との出会いだった。
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