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□甘えた猫なで声
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「おかいりなさあい!」
「ただいま。ちい」
元気よくお出迎えしてくれたのは、ペットのちい。
まんまるな瞳に赤い唇、
チョコレートブラウンの髪からひょっこり出ている耳も
全部食べちゃいたい。
そんなちょっと変態チックなことを思うくらい、ちいは可愛い。
「むにゅ!」
スーツのネクタイをゆるめ、ソファーに腰をおろしたところに、ちいの細い腕が後ろから回ってきた。
「どした?」
「なんにもなあい」
へへッと笑って見せる顔に、理性が崩れかけるが、なんとか耐える。ギリギリだけど。
「お仕事たいへんだった?」
「ああ。でも、ちいのおかげで元気になったよ」
「ほんとお?!」
嬉しそうに微笑むちいの頭を撫でてあげると、『甘えた猫なで声』で
にゃーっと鳴く。
そんなちいを見ている俺の方は
そろそろヤバいわけで…。
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