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□吐息混じりの掠れた声
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「ちい。ちゅーしたい」
思ったことを素直に口に出してみると
いっきに顔を紅潮させたちいは、コクリとうなずいた。
「…ふ、ん」
触れるだけの短いキスをして、唇を離すと
瞳を潤ませて微笑むちいの姿。
ガラガラ、と理性が崩れる音と共に
再び、吸い付くように唇をおしつけた。
「んっ……ふぁっ、…」
しばらくして息を吸うのも忘れて、キスに夢中になっているちいに気づき、唇を離すと
「僕の…こ、ス、キ…?」
『吐息混じりの掠れた声』で俺にそんなことを聞いてくる。
…言わせたいのか?
「決まってるだろ」
それだけ言うと、ちいの頭をくしゃくしゃと撫で、ひとり、寝室に向かった。