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*ジノタツ
「……なにお前」
どしたの。
部屋の隅で膝を抱えるようにして座り膝へ額をつけているジーノに達海が問いかける。
所謂体育座りをしているジーノはぴくりとも動かずにじっとしていた。
「タッツミー」
「なんだよ」
つか邪魔なんだけど。
そう言えばジーノはぐず、と鼻を啜る。
「泣いてんの」
「タッツミー、僕のことなんだと思ってるの」
「ヘタレ」
「!そ、れはそうだけど」
早くDVDみたいんだけどな、と通夜みたいなオーラを纏わせているジーノを見て片方の眉を下げた。
このETUの王子様はETUで一番チキンと言われる椿よりも――きっとヘタレだ。
「…僕にはあなたの愛が感じられないよ、タッツミー」
「じゃあないんじゃない?」
「そんな!」
顔をあげたジーノの顔に達海は笑い声をあげると、泣き虫王子様が拗ねてしまわぬようジーノに抱きついた。
「タッツミー!?」
「恋愛になると泣き虫でヘタレになっちゃうかっこわるいお前でもちゃーんと愛してるよ、ジーノ」
だから反則だって…!
顔を真っ赤にしているであろうジーノに抱き締められた達海はにひと笑みを浮かべると、泣き虫王子様にキスを送った。
泣き虫王子様に愛を!
泣き虫吉田〜
吉田って言わないでよ!
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ジーノ=恋愛になると泣き虫ヘタレ。
(→スイッチ入ると…)