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□その眸を
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綺麗な、眸だと想った。




グラウンドを見つめ、月明りに照らされるその横顔を美しいと想った。
相手は自分よりも10以上離れた、世間から見ればオッサンの類に含まれるのに。





関係ないと想った。




10以上年上だろうがオッサンだろうがその眸はきっとグラウンドを駈けていたあの時と変わらない。
あの綺麗な眸はずっとグラウンドを見たまま離れない。





どんな世界を見ているのだろう。









「赤崎?珍しいね、お前が夜中にフラフラするなんて」

「気づいてたんすか」




振り向くことなく話しかけてきた達海に一瞬ドキリとする。
隣に立ってみようかこのまま戻ろうか考えていると「あのさ」と達海が話しかけてきた。






「お前は此処からどんな世界が見える?」





「…!」



同じことを考えていたのだろうか。

達海は自分だけに特定して問いかけたのか、それともこれが俺じゃなくても問いかけたのか。






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